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RN-1101 第Ⅰ相臨床試験開始のお知らせ

当社が大腸がん患者を対象とする治療薬として研究開発を推進して参りました抗体医薬品候補RN-1101(開発番号)について、日本国内での第I相臨床試験(本試験) の準備が完了し、この度、本試験が開始され第1例目の被験者への投与が実施されましたことをご報告申し上げます。

RN-1101は、大腸がん細胞に高発現する膜タンパク分子(TMEM180)を抗原とするヒト化モノクローナル抗体(抗TMEM180抗体)*です。
本試験は、このRN-1101を世界で初めてヒトに投与するFirst in Human 試験です。固形がん患者を対象として主に安全性と薬物動態を検討しRN-1101の次相の推奨用量を決定することを目的とする用量漸増コホートと、大腸がん患者を対象として主にRN-1101の安全性と有効性を検討する拡大コホートの2つのコホートで構成されています。
まずは国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)にて本試験を開始しましたが、今後は同センター中央病院(東京都中央区)にもご参加頂き、2施設で本試験を遂行していく計画です。
なお、本試験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)における「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)第5回」の採択課題として実施しているものです。

当社は、国立がん研究センター発ベンチャーとして、独自の特許を保有する抗体を活用してがん治療を中心にアンメット・メディカル・ニーズ に対応すべく、日本発の抗体医薬の新規創出に取り組んで参ります。

*膜タンパク分子(TMEM180)を抗原とするヒト化モノクローナル抗体(抗TMEM180抗体)について:
TMEM180分子は、当社の松村保広研究担当取締役が、国立がん研究センター先端医療開発センター新薬開発分野長として新規抗体医薬のための研究に取り組んでいた当時に独自に確立した方法によって大腸内腔洗浄液から抽出した正常上皮細胞と大腸がん細胞とを比較検討した結果、新規に見出したがん特異分子のうちのひとつです。
この分子を抗原とする抗TMEM180抗体は、抗体依存性細胞傷害作用(antibody-dependent cellular cytotoxicity:ADCC)を抗がん作用のメカニズムとしています。本抗体は、ヒトがん組織を移植したマウスを用いた実験の段階ではありますが、KRAS遺伝子の変異の有無によらず、治療効果を発揮することが大きな特長です。

本件に関するお問い合わせ :
info@rinmab.co.jp(担当:経営企画室 野口)

本試験に関する情報:
臨床研究等提出・公開システムをご参照下さい。リンク先は下記URLのとおりです。
https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2031220477